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光紡ぐ神の旋律 ~ Melodies of Memories ~


第十一章 03

 わたしは目的地に到着した。
 天野宮市でいちばん高いところにある展望台だった。高地にあるにもかかわらず、周囲には風景を楽しんでいる人が多い。
 ……できるのかな。ここで。
 わたしは持ってきたケースを開けた。そこに入っているのはわたしの宝物だ。
 ニコロ・アマティ製作のヴァイオリンを取り出す。
 周囲にいた一部の人たちが、ヴァイオリンの存在に気づく。
 興味津々な面持ちで、次々とわたしへ視線を向けてきた。
 心臓が高鳴る。
 ……大丈夫。大丈夫だよ、わたし。
 もう、立ち直ったんだから。
 人目に晒されながら、わたしはヴァイオリンを構えた。


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