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いま、その翼を広げて


Extrication-12

「星蹟島だって……!?」
「ああ、間違いない。スマホをパソコンにつないだままだったのが功を奏したな。かなり細かく逆探知できた」
 ノートパソコンに星蹟島の地図が表示されていて、その一部分で赤い点が点滅している。
 凜が電話をかけてきた場所。セイラは惺が通話していたわずかな時間のあいだに、信じがたい速度で逆探知を試み、結果を出してきた。
「悠も一緒らしいけど……なんで凜と?」
 本来、ICIS捜査官でない惺に事情を話すのは規則違反。だが、いまはそんなことを言っている状況ではない。
 セイラは語った。
「去年の南裾浦港での事件。わたしたちが怪物と戦っていた裏で、レイジが黒月夜という犯罪組織と戦っていたのは、おまえには知らせてなかったな」
 あのときは惺もまだ完全な一般人で、怪物――異種生命体と戦った際の事情聴取以外のことはしていない。ICIS星蹟第二分室に呼ばれて、惺が詩桜里と再会したときだ。ちなみにここでレイジ、リスティと初対面を果たしている。
「そんとき俺が戦った相手ってのが、黒月夜の現頭領、海堂霞だったのは間違いない」
 セイラに叩き起こされていたレイジが、工具箱に座ったまま説明した。
「霞……凜が最後に言っていた名前?」
「そう。偶然同じ名前の人だったなんてことも考えられるが、ここまでパズルのピースがそろっているんだ。もう間違いないだろう。……まあ、凜と黒月夜の関係は長くなるから、追い追い話そう」


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