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いま、その翼を広げて


Extrication-39

 自分がどこにいるのか、悠はわからなかった。
 しかし薄れゆく意識の中で、人ではない「なにか」が黒装束の連中を皆殺しにして、やがて星核炉に引きずり込まれたところまでは覚えている。
 星核炉は、どういうわけか自分を必要としているらしい。赤ん坊が母親のぬくもりを求めるような感覚。なぜかそれだけは知覚していた。
 自分の肉体の感覚は、通常とは比べものにならないほど広がっている。
 やがて体内に入り込んでくる惺たちの気配を察した。ところが自分の一部のはずなのに、そうじゃない「未知の存在」が、彼らを排除しようと動き出す。
 悠は不確かな意識を集中させて、攻撃をやめるよう祈った。
 祈りは通じた。
 でも、抑え続ける余力は、もう残されてなかった。

 助けに来てくれたのかな。
 けど、わたしはもう――


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