心の声は聴こえない 【小説・完結】

※当作品は性描写が存在しています。18歳未満の方や苦手な方は閲覧をお控えください。また、当作品は個人によって創作されたフィクションであり、実在の人物、団体、企業、国家等とはなんら関係がありません。

ストーリー

 たぶんきっと、僕は「何者」にもなれない。 
 そんな僕に生きている意味はあるのだろうか。


 そんなふうに、以前からぼんやりと浮かんでは消えてきた疑問がいまこの瞬間、唐突に――明確な答えとなって僕の中で結ばれた。
 
「ないね。うん――ない」


二十代後半の「たーくん」はある日、唐突に自殺を決意した。
準備を整え、とある山中へ向かうたーくん。
しかし彼はそこで、ひとりの女性と出会う。

彼女の名前は「さっちゃん」。
中学生にも見えそうなほど小柄な女性。

 ――彼女はたぶん、僕と一緒だ。

たーくんの直感がそう告げる。
そしてたーくんとさっちゃんは、その場で肉体関係を結んだ。

その後たーくんは、さっちゃんが住む家に転がり込むことに。
そこにさっちゃんの親友である「ナオちゃん」が加わり、3人の奇妙な共同生活が始まる。



誰もが一度は考える禁忌――「自殺」という重いテーマを、軽妙な筆致で描く――

※2020年4月29日【完結】しました。

登場人物

たーくん二十代後半の男性。元システムエンジニア。
労働意欲は著しく低い。
さっちゃん二十代半ばの女性。実家が資産家のため、現在ほぼ無職。
猫のような自由な生き様が特徴的。
ナオちゃんさっちゃんの幼なじみ。「Bar Charlotte」でバーテンダーをやっている。
意外にまともな思想の持ち主。

本編